設立趣旨
同期現象は古くから知られる物理現象の一つです。日本同期学研究会は、その「同期学 (synchrology)」、 すなわち同期現象・振動現象・集団現象と、その工学的・社会科学的側面を、諸分野の「垣根」を越えて横断し相互に交流可能にする学術体系の発展・普及に資する学術団体であります。
米国では, 応用数学者Steven H. Strogatz氏 (コーネル大教授, National Academies Eric and Wendy Schmidt Award for Excellence in Science Communications 等受賞) による、この学術体系のポピュラリゼーションがいち早く知られています。 日本では, 1980年代から既に蔵本由紀氏 (京大名誉教授、朝日賞、SIAM Jürgen Moser Lecture 等受賞) による理論的側面からの貢献が世界的に有名であり、また通信工学分野においても猪瀬博氏 (東大名誉教授、 IEEEアレクサンダー・グラハム・ベル・メダル 等受賞) らによる1960年代後半における相互同期系の研究は、すぐれて先駆的なものと知られています。 このような日本での先駆的研究の流れは、 綿々と現在の若手研究者にまで伝わっており、この数十年を経た当該学術体系とその活況を衆知し、 後世に残し、さらに発展させることを目指しております。
関連する諸分野で仕事をしておられる方々との交流を通し、 同期学の永続的発展を期したいと考えております。国内の研究者、 技術者、 医療関係者及び農林水産業者等との共働を通して、日本の科学技術、医療の発展と環境保全に貢献できることを望み、同期現象・振動現象・集団現象と、その工学的・社会的側面に関心をお持ちの方々のご入会を心から歓迎いたします。
付記:当研究会は従来の自然科学·社会科学の方法に立脚する研究を対象としております。そのため、この対象を超える精神世界、スピリチャリティ、ニューサイエンス、共時性、意識の問題等の研究には敬意を表しますものの、対象外としておりますこと、ご海容のほどお願い申し上げます。